結露を理解する3つのポイント
① 空気は水蒸気(湿り気)を含みます。温度が高いほど、多くの水蒸気を保有できます。
② 水蒸気は圧力(水蒸気圧)として考えます。
③ 水蒸気の量が違えば、移動して一定になる力が働きます。つまり、水蒸気がたくさんある場所から水蒸気が少ない場所に向け、安定するまで移動を続けます。

分かりやすく解説!「湿気と結露Q&A」-住宅編-

水蒸気の量は温度の影響を受けます。(ポイント①)それぞれの温度において、水蒸気量(湿り気)に限界があり、この限界点を飽和水蒸気量とよびます。限界を超えてしまった水蒸気は、気体から液体(水)に変化します。
この現象を結露とよびます。具体例として、寒い冬に部屋側の窓ガラスに水滴が付着するなどがあります。
これは窓ガラスの温度が冷やされることで、その周辺にある空気が水蒸気を保有できなくなる状態、つまり飽和状態となり、結露水が発生したものです。因みにこの結露の始まる温度を露点温度とよびます。

湿度を表す指標に相対湿度と絶対湿度がありますが、一般に湿度といえば相対湿度を指します
この相対湿度とは、ある温度で飽和する水蒸気の量(飽和水蒸気量)に対し、どの程度の割合の水蒸気量(湿り気)が存在しているかを示します。たとえば相対湿度60%であれば、空気中にあと40%分の湿り気を含むことが可能であると考えます。結露が発生する時の相対湿度は100%です。

夏と比較すると温度が低く、空間に多くの水蒸気を含みにくい状態にあるため、炊事、暖房、入浴などによる湿り気の増加で相対湿度が上昇します。そのため冬の屋内では、相対湿度が高い状態で推移する傾向にあります。
(特にマンション、集合住宅や最近の高気密住宅では顕著です。)
また、暖房をしていない部屋の湿度のほうが、暖房をしている部屋より高くなる傾向を示します。
その理由は次のようになります。

① 暖房室の暖かく湿り気を含んだ空気が、冷たく乾燥した各部屋に移動する。(☝ポイント3)
② もともとの室内温度が低いため、水蒸気(湿り気)の量が少し増えただけでも相対湿度が大幅に上昇する。
<チェック> 
冬の室内は、夏と同じくらい湿度が高い傾向にある。
○ 非暖房室は温度が低くても湿度が高い傾向にあり、結露に注意が必要。

人体による発汗や呼吸、風呂、炊事、石油およびガスによる暖房、洗濯物の室内干し 加湿器 観葉植物 等

クロス類、木部、壁などにカビの発生が見られる。また、そのカビを食べるダニなど不快害虫も発生、金属類であれば水滴の付着によりが生じる。

<チェック> 
カビは適当な水分(湿り気)がなければ生息できません。湿度60%以上の環境を好みます。

1. 部屋と部屋との温度差をなるべく作らない。※1
2. 水蒸気(湿り気)の発生を抑える。
(Q4の項目をご参照ください)
3. 水蒸気を取り除く。
(除湿機の使用、および閉鎖した空間において乾燥剤・湿気とりの使用)
4. 窓を開ける、換気扇を使用するなど、外の乾いた空気※2を室内に取り込むこと。

※1 室温を上昇させることも理論的に正しいのですが(☝ポイント①)、家屋の場合ではむしろ家全体の温度差を少なくする方が望ましいといえます。
※ 2 冬季の外気温は屋内より低く、そのため水蒸気量も少なくなります。降雪などで外気の湿度が屋内より高い場合がありますが、温度の高い屋内の方が絶対的な水蒸気量が多いため、外気をとりこむと換気後の室内は、概ね湿度が低下します。

室内では、温度、水蒸気量の差により空気は絶えず移動しています。押入れなど仕切られた構造の場所もすきまを通じて水蒸気(湿り気)が入りこみます。しかし、室内と比べると空気がこもりやすく(入りにくく出にくい)このため概ね温度の低い状態にあります。また、構造上の問題で、角や隅など、所々に移動する空気が通過してしまう場所もあります。このような理由で仕切りのある場所は温度が低く、湿度が高い傾向にあります。
従いまして、押入れ、タンス、下駄箱、水周り、収納庫、ピアノなどに乾燥剤・湿気とりの使用が効果的です。
因みに、押入れの通常温度は、室内の温度より0.5℃~1℃ほど低い傾向にあります。また、押入れと屋外との断熱が不足している場合、押入れの壁に結露が発生する場合もあり、注意が必要となります。

エアコンの使用は結露対策として有効です。全室を一日継続的に運転することができれば、結露の発生は考えにくいところです。しかし、ストーブなどの使用が一部あるとか、24時間運転させない場合はその限りではありません。エアコンを止めた約6時間後に、部屋はエアコンを使用していない元の状態に戻ります。

◎余分な水蒸気(湿り気)をとる、
◎水蒸気を出さない、
◎温度変化を抑える

この3つがポイントとなります。<転写不可>

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