第八話 「調律師の薦めるピアノ防虫剤の必要性について ① <ピアノ内部を食害する様々な生き物> 」

ピアノを使用せず放置していると、ほかの家財道具と同じように虫や小動物などの侵入があります。ねずみは旧式のピアノほどありがちで、足下ペダルのすきまから侵入するケースが大半のようです。竜巻の襲来のように内部を引っ掻き回されて、弦が切られる酷い有様になるようで、被害レベルは最悪です。
どろ蜂は、ピアノ内にどろを外から運び、産卵を繰り返すようです。
木部を食べる虫も稀に見られますが、その場合は周囲の家財がかなりの被害に遭っていることが多く、症例は局所的となります。

ピアノ内部を食害する生物のなかにおいて最も多発し、かつ、被害総額が最大級といえるのがイガ類と甲虫類で、いずれも繊維害虫です。
ピアノ内部にあるアクションと呼ばれる打弦装置および鍵盤には、動作を円滑にするため数多くのフェルト、紙類、布類、羊毛といった繊維質が使われます。これら大切な部材を、食欲旺盛な繊維害虫の幼虫が歳月をかけて食い尽くします。

その結果、鍵盤動作が悪い、音がでないなどの症状が出ることもあります。 イガ類の種類はイガおよびコイガの2つに大別されて、被害が大きくなるのはイガです。
食害の種類は2通りで、みのむしのように身を包む巣づくりのために繊維を引きちぎる場合と、栄養として取り入れる場合に大別されます。 次にカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシといった甲虫類です。 成虫は日頃、里山や芝生を奔放にとびまわっていますが、洗濯物を取り込む時などに紛れ込んで屋内に入りこみ、繊維の中に卵を100個程度も産み付けます。 その卵が幼虫となり、成長して蛾になるまでの期間にピアノ内の繊維質を食い荒らします。 虫の侵入口はペダル下、鍵盤のすきま、天屋根、上前板、下前板と本体とのすきまなどで、いずれも機能性および構造の上において塞ぐことができない場所であるため、虫の浸入に対する万全な対策は難しいと言わざるを得ません。 ピアノ内部には羊毛で作られたフェルトやハンマーに加え、紙、布が緩衝用として随所に使われており、それぞれが円滑な打弦に必要不可欠な部品となります。
そこで、「nyピアノには、容積に応じた専用防虫剤が必需品となり、防錆剤と兼用になったタイプが主流となります。

テクノスナカタオンラインショップ
テクノスナカタ 業務用乾燥剤通販サイト