牛皮(豚・羊)など皮革製品のカビ対策 <衣類・バッグ・くつ>

シリカゲルB型15g分包

気温が上昇するとカビの被害が増加します。

カビの胞子は目に見えるものではありませんが、白や、色つきの斑点がポツポツと間隔を空けて現れはじめるとカビを疑うべきです。そのまま放置するとコロニー(集合体)が更に拡大、不快な臭いを発しながら赤、黄色、褐色などの絵具で使いこなした大切な箇所から染められていくことになります。

カビは地上のありとあらゆるものをエサとしますが、中でも生物由来の有機物が大好物で、そこからたんぱく質や糖などの炭素の源を分解し捕食します。

また、その代謝物として特有の臭いを発しますが、こちらは晴天続きの後、雨が降った直後に干からびた地面から立ち込める、あの強烈な臭いです。これはカビの棲み家が元々、地中にある所以でもあります。

さて、カビ対策なるもの、先ずはカビの生育条件を断つことです。

カビも微生物であることから、酸素と水の制御が有効となります。

先ず酸素の制御については、バリヤ性のあるフィルムを用いた袋に布団や衣類などを入れ空気を抜き(脱気)、その閉じ込められた僅かな空間に存在する酸素を脱酸素剤等で取り除く方法があり、とても効果的です。

また、一般家庭では難しくなりますが、空間の空気を窒素や二酸化炭素などの安定したガスに置き換える方法もあります。

次に、水を制御する方法です。

カビにとって繁殖しやすい温度帯は15℃~30℃、湿度は70~95%です。

つまり、この条件とはカビが生命を維持するために必要な水が取りやすい環境であるともいえます。

そこで皮革製品のカビ対策として、水を制御するアプローチのご紹介となります。

牛、豚、羊などの天然皮革製品を押し入れ、タンスなどの仕切り空間で保管する場合、皮革は毛管現象によりその時の

限界まで空気中の湿り気を吸収します。

また、それぞれ化成品よりも吸湿性、親水性が高いため、皮革に着いた汗、湿り気、または結露等の水に大気中に浮遊するカビ胞子が付着すると、一気に繁殖が拡がることになります。

尚、合成皮革としてよく使われるポリウレタン樹脂には親水性があるため、やはり水が付着するとカビが発生しやすくなります。

水分調整をした空気を絶えず送り込むエアコンなどの空調機器は、連続して運転すると湿り気をかなり制御できます。

しかし構造的に空気の流れが悪い場所、また、押し入れ、タンス、引き出しなどの空気がよどみやすい場所では湿気だまりができることもあり、空調を補完するために除湿剤を使用します。

吸湿のみの除湿剤は交換を都度、必要としますが、吸湿を続けることで湿度を下げます。

また、長期保管となれば、持続性のあるシリカゲルB型が力を発揮します。

このシリカゲルB 型商品を設置すると、皮革製品付近の空間において湿気が上昇すれば吸湿、また、少しでも下がれば放湿を、まるで呼吸するかのように繰り返します。

この理由は、シリカゲルB型の内部にある無数の孔(すきま)が丁度、水蒸気(湿気)の収まるサイズに設計されているからであり、そのため内部と外部の圧力が常に平衡となるまで湿気の出し入れを続けます。

また、この作用は共有結合等の化学的変化ではないため、持続性の高いところが特長と言えます。

最後にカビ対策の基本は、保管場所の湿度を60%以下に抑えることです。

シリカゲルB型商材は皮革製品の毛管現象が最大にならず、保管場所における空間湿度が一定となるよう吸放湿を繰り返して見守る役割を担います。