活性炭とは

木材(木炭、おがくず、樹皮)果物殻(ヤシガラ)、石炭(草炭、タール、コークス)石油(タール、ピッチ)繊維など
炭化した後に孔※1ができる素材を原料とします。
こうした原材料を炭化あるいは熱分解※2した後、制限を加えて酸化させたものを活性炭と呼びます。
この酸化を賦活と呼び、二酸化炭素および一酸化炭素を放出した孔は木炭と比べるとさらに微細な孔を形成します。
それぞれの孔は深く、多くさらに複雑化します。活性炭内部はこうした不規則な結晶が幾重にも積み重なる構造(乱層構造)をしています。
組成は炭素が約90~95%、残りは灰分、酸素、水素、窒素、硫黄等で構成されます。
活性炭は粒子のサイズで粉末活性炭と粒状活性炭に分けられます。粉末活性炭は精糖、医薬、工業薬品、醸造、浄水、排水、カイロ用として、また粒状活性炭はガス吸着、触媒、水処理用に使用されます。単位量あたりの吸着量および吸着速度では粉末活性炭が優れますが、再生が困難というデメリットを抱えます。

※1 孔(PORE)・・・・空隙、微細な空気の穴
※2 熱分解・・・酸素を存在させることなく加熱する化学分解

主な活性炭品

炭ゲルマット (家庭用・業務用) 


 賦活の種類 

ガス賦活法・・・炭化物に対し水蒸気や二酸化炭素を750℃から1100℃で吹き付ける方法
薬品賦活法・・・未炭化の原料に塩化亜鉛,リン酸などを加え550度~650℃で炭化反応させる方法

※ 使用後の薬品処理の問題より、現在はガス賦活法が主流を占めます。

 活性炭の孔の大きさ 

活性炭には様々な大きさの孔(細孔)が分布しています。孔の大きい順にマクロ孔、メソ孔、マイクロ孔と続き
1gあたりの孔の表面積を合計すると700~3000㎡と、膨大な空間を持ちます。
活性炭は他の多孔質物質と比較すると主にミクロ孔の発達を特長とします。
それぞれの孔のサイズは以下のとおりです。

ミクロ孔 直径20Å以下の細孔
メソ孔  直径20~500Å以下の細孔
マクロ孔 直径500Å以上の細孔

※ Å オングストローム 1億分の1cm 

<参考 孔の代表的な測定方法>
BET法・・・低温で活性炭に窒素ガスおよびヨウ素を一度吸着させ、温度上昇(または真空化)により離れた
ガスの量を測定、この吸着した量より活性炭の表面積を算出します。

 吸着とは 

主として物質の分散する力に起因し、物理的吸着(ファン・デル・ワース力)とも呼ばれます。結合する力は分散する力に依存するため化学的吸着と比べると強くありません。分圧が下がる、もしくは温度が上昇すれば一度取り込んだ吸着物質でも脱着(放出)します。(可逆現象) 活性炭の再生はこの原理により行われます。

物理的吸着と化学的吸着

物理的吸着は活性炭、シリカゲル(※1表面基を除く)、ゼオライト、木炭などが該当します。
このうち活性炭は※2疎水性で、水溶液からの吸着能力に優れるため水処理にも適します。
一方、化学的吸着※3電荷の移動や化学結合を伴う反応です。
塩化カルシウム、酸化カルシウム(生石灰)などが該当し、電子交換による化学結合を結成するため、結合する力は非常に大きくなります。吸着量は、気相の圧力、または液相の※4溶質の濃度および温度に依存します。

※1シリカゲルの表面は主に化学的吸着
※2 疎水性・・・水に溶けにくい、混ざりにくい分子や物質  反義語;親水性
※3 電荷・・・電子はマイナス、陽子はプラスの最低単位の粒子
※4 溶質・・・溶媒に溶けている物質 (食塩水であれば溶媒は塩)

 主な活性炭の利用方法 

● カビ臭の原因であるジオスミン、メチルイソボルネオール等の除去
● 携帯用カイロで酸素吸着目的に使用 
● アセトン、トルエン等の有機溶剤の回収
● 水道水中の有害物質トリハロメタンの処理
● 下水処理、産業排水の処理
● 精糖工業の脱色
● 排気ガスおよび工場排煙(亜硫酸ガス)など臭気の除去
● 冷蔵庫の悪臭除去 
● タバコのフィルター
● 放射性ヨウ素、ダイオキシンの除去

環境問題が次々に社会問題となる中、水質汚濁防止法、悪臭防止法、大気汚染防止法などの法令化に伴い
活性炭のニーズは今後、拡大の一途を辿ります。

<特長ある活性炭>
生物活性炭・・・微生物を活性炭に担持させたもので水処理などに活用
添着活性炭・・・金属塩などを活性炭に担持させたもの

 活性炭の再生法 

活性炭は使用を続けると有機物が孔に溜まり、やがて飽和状態となります。
活性炭を気相(気体の状態)で飽和状態まで使用した場合であれば、100℃から150℃に加熱した水蒸気を吹き付けることで取り込んだ有機物を脱着(放出)でき、そのまま再利用が可能となります。
しかし、液相(液体の状態)で使用した場合は、活性炭を当初製造した条件に等しい750℃~1100℃の温度で反応させる必要があります。この違いは、気相においては物理的吸着が大半を占めますが、液相では化学的吸着に近い条件となるためです。いずれにしても活性炭は再賦活により再び使用できます。

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