土間基礎、コンクリート基礎など、床下空間を乾燥、調湿するシリカゲルB型の働き

床下空間の調湿についてはかねてより、多品種の吸放湿材が使用されてきました。

その効果は家の寿命よりも長く持続する必要があるため、主に火成岩(ゼオライト、コレマライトなど)による三次元構造を利用したものから、木炭、竹炭などの木質炭化物、そして近年ではポリアクリレート系繊維をシート状にしたものまで、幅広い素材が販売されております。

このうちシリカゲルは化成品ではありますが、組成は地殻の6割を占める珪素(SiO2)が98%以上を占める安定した物質であり、長期持続性および高い性能により設計士、建築事務所を中心に支持を集めてきました。

シリカゲルは国家標準となる日本工業規格(JIS)を持ち、大別するとA型B型の2種類があります。

A型は包装用乾燥剤として食品、精密部品、機械、半導体などの防湿・防錆を目的に使用されます。 一方、B型は床下、コンテナなどの閉鎖空間における結露防止、あるいは、楽器、美術品、木工品などに調湿剤として使用されます。

いずれも毛細管状に発達したマクロ、メソ、マイクロサイズのすきま(孔)より、大気中の水蒸気を吸着します。 また、表面上からも、吸着とは異なる反応により吸湿します。

シリカゲルA型は緻密な構造により、一般的にはポリフィルム製袋、および短期間における吸湿目的で使用される一方、すきま(孔)サイズの大きいB型は、条件により一度含んだ湿気を吐き出すため、少し隙間のある空間で使用されます。

シリカゲルB型の家庭用途としては、タンス、布団、押し入れ、くつ用乾燥剤として使われるほか、大空間を持つ床下の調湿剤としても長い歴史と実績を有します。

このシリカゲルB型が床下空間に適する理由には、先ず、高湿度時の吸湿にとりわけ優れるところがあります。

構造的にも空気のよどみがちな床下空間では、大気中の湿気(水蒸気)が入り込んだまま、夜の冷え込みにより湿度の高い状態になることが少なくありません。

この時、結露の生じる露点温度まで気温が下げれば床下一面に結露水が生じますが、シリカゲルB型はこのような高湿度時に真価を発揮します。

また、シリカゲルは元々、小さな粒に無数の空間を持つ多孔質の構造であるため、その粒と粒が重ね合わさると、床下に広大な空気の層を設けることとなり、そのため図抜けた断熱効果を得ることができます。

このほか地下水の影響や、浸水、漏水の生じた場所では、そのまま水気を取り込むことで設置箇所の乾燥を促します。

このシリカゲルB型は最大で自重の約70%を吸湿、これは炭および調湿剤として使用のある天然鉱石の、単位重量あたり約5~7倍のパフォーマンスにあたります。(シリカゲル1Kgで約700gの吸湿量)

これら吸放湿材は、多くの湿気(水蒸気)を吸湿すれば、それだけ吐き出すことにもなります。 そこで、床下のような大空間の調湿においては、単位あたりの吸湿量が高いほど適正があると判断します。

シリカゲルB型は、土間基礎であれば悪臭、カビ、不快害虫の発生防止に加え、木部の含水率を低く抑えることで家屋を長持ちさせる効果が期待でき、また、

コンクリート基礎であれば、多孔湿構造を持つ材料で空気のすきまを作ることにより通年、結露を抑える働きをします。

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