除湿剤・乾燥剤によるフレコンバッグ内の湿気・結露対策             (金属・食品・樹脂ペレットほか) 

フレコンバッグ、正式名称はフレキシブルバッグと呼び、1トン以上の強度を持つことからトンバッグ、トン袋、またコンテナバッグの俗称も持ちます。 主に粉状、粒状の原材料、資材、製品を移動、保管する際に使用するフレコンバッグ上部には長くて頑丈な吊りベルトが備わり、クレーン、ウインチ、ホイスト、フォークリフトによる移動を可能とします。

素材はポリオレフィンが主流で、主にポリプロプレン、ポリエチレンにより構成されます。

保存対象により袋内部を強化したり、また、防湿、破袋防止を目的に袋を二重、三重構造にすることもあり、またカスタマイズ化を要望するユーザーに応えるフレコンメーカーもあります。

さて、このフレコンバッグは米、麦、穀物パウダーなどの食品から、コークス、肥料、鉄、樹脂ペレットに至るまで、実に多用途に使用されています。

そこで、このバッグを用いた移動、保管期間内において、温度、湿度管理にとりわけ注意を要する品目もあります

例えば米は湿度が高すぎると吸湿するため品質が劣化、更に高くなると発芽やカビのリスクもあります。 また、麦類も高温、多湿の条件下においては、虫の発生や食味が落ちるリスクを伴います。

次に鉄粉、金属類、鉄加工品が対象であれば、結露による錆発生のリスクに警戒が必要です。

フレコンバッグ内に閉じ込められた空気中の水蒸気(湿気)は、鉄の表面上が結露の生じる露点温度まで下がるとそこに結露水が付着、袋内の酸素と合わせて錆の発生を招くこととなります。

その他に樹脂ペレット、特にアクリル樹脂系メタクリル樹脂は吸湿性を持ち、そのため水分を多く含んだまま種出成型すると加水分解および物性が低下し、成形品に不具合が生じるリスクがあります。

そこで、対象によっては袋内の水分量(湿気)をあらかじめ調整しておく必要があります。

フレコンバッグ内に入れて使用する乾燥剤、除湿剤は、破袋や落下によるリスクを避けるため特に強化した袋を使用したり、また、吊り下げるための工夫を加えるなど設計上、特殊なタイプを使用します。

尚、該規格は通常、何度か繰り返して実験し、安全性を確認したうえで本格使用に移行します。