ピアノ調律時におすすめしたい効果的な害虫対策。<清掃および防虫剤の使用について>

ドクターフォルテ

ピアノには隙間があり、そこから洋服ダンスや引き出しと同じく繊維害虫が侵入してきます。

それらはイガ類および甲虫類であるカツオブシムシで、日本全国に生息しています。

 

カーテンのすきまから白とか黄金色の小さな蛾(イガやコイガ)が飛び立つところを発見すると、

衣類は勿論のこと、ピアノ内部の食害にも注意する必要があります。

また、普段、里山や花畑にいるカツオブシムシは、洗濯物を取り込むときに侵入するケースも多いようです。

 

ピアノのすきまは実に小さく見えますが、繊維害虫の成虫といえば1cm程ですから、その頭の直径といえばわずか数ミリ程度です。つまり、ピアノのいたるところが侵入口となり得ます。

 

この虫が卵を産むことは、子孫を残すための本能であり、大切な営みです。

安全が確認できなければ、親はむやみに産みつけたりしません。

親は子が成長するまでの間に、充分な餌と水分(湿り気)が確保できる場所を見つけだし、そこに卵を産み付けます。

 

ピアノ内部にはフェルト(羊毛)クロス、紙、綿などの重要部品が数多く含まれます。

それらは打弦により音色を創りだす、または弾き具合を良好にするなどの役割が与えられるため、

いずれも重要な部品となります。

 

これらを幼虫はご馳走として、お構いなしに食害します。

 

尚、生きるために必要な水分(湿り気)は繊維に含まれるものから摂りますが、ホコリからも摂取できます。

 

イガ、カツオブシムシの親は一度に40個~80個の卵を産み付けるため、放置すると被害は拡大します。

また、近年の家庭の事情は、真冬でも空調により暖かいため、幼虫のまま越冬出来る条件が備わりました。

 

衣料害虫に向けた対策は、無臭ピレスロイド系防虫剤の効果が、安全性の評価とともに広く認識されております。

 

常温で一定量の防虫ガスを発散し、また、さなぎに対しても効果があります。

 

このピアノ防虫剤の設置は、いつ飛来し卵を産み付けるか分からない相手に対する予防となり、大切なパーツを守るため必須であるといえます。

同時に、害虫に対する水分および栄養分の供給につながりかねないほこりの清掃は極めて重要です。

 

いずれもピアノのメンテナンスに深い知識を持つ専門家、ピアノ調律師にご相談ください。

ピアノ鍵盤下、フェルトの食害例