校庭、テニス、サッカー、野球場の土ぼこり、砂ぼこり対策。 防塵剤 <塩化マグネシウム>の働きについて
校庭、テニスコート、野球場など,土のグランドでは、ひとたび強風にさらされ土ぼこりが舞うと使用者の不便さも然ることながら、周囲への影響は無視できないところのようです。 とりわけ周囲に住宅の拡がる都心では、維持管理の面からアスファルトや樹脂を敷き詰めた校庭がとても目立ちます。
さて、グランドの土ぼこり、砂ぼこりによる弊害例をあげると、まずは結膜炎などの健康被害があげられます。
このほか、造成された大半のグランドは山や海から大量の土砂を運搬して設営されており、この土砂が減少すればその分、補充が必要となります。 また、その間にも表面が荒れて、でこぼこ(凹凸)が多発すると、運動時につまづいたり、また転倒する危険性も高まります。
そのため校庭、および多目的グランドの土ほこり、砂ぼこり対策として防塵剤が使用されています。
これらは一般的にみれば馴染みの薄いものですが、土木建築関係者の間では、宅地造成時、工事現場およびグランド整備の必需品として度々使用されています
そこで防塵剤の種類となりますが、即効性があるため特に使用の多いものに塩化マグネシウムがあります。
この塩化マグネシウムは、塩化ナトリウム、塩化カルシウムと同様で海水にも含まれる成分です。 食品添加物においては豆乳から豆腐をつくるための凝固剤として使われ、その際には「にがり」と呼ばれています。
この塩化マグネシウムは除湿剤としても使用があるように、吸湿性が極めて高いところが特長です。 そのため空気中や土中より湿り気(水分)を吸収し、潮解(液化)して塩化マグネシウム水溶液となりますが、この液体はなかなか蒸発しにくく、また土中においても保水性があることから、砂ぼこりの飛散を防止します。
ほか、土中成分となる鉄、アルミ二ウム、カルシウムと反応して固結(固まる)することで、土質を適度に固めます。 これらは土質を締め固める効果として現われるため、サッカー、テニス、野球など、球技に重用されるところとなります。
この塩化マグネシウムは塩化物なので、塩化カルシウム、塩化ナトリウムと同様に草木を枯らす恐れがありますが、対象が雑草であれば除草効果と言い換えることができるため、逆にメリットとして捉えられることも少なくありません。
最後に防塵剤の使用頻度および使用方法となります。
学校の行事といえば体育祭がありますが、ほかにも体育の授業、テニス、野球、サッカーなども通年あるため、年間3回程度の散布をお勧めしております。
最後に作業方法については、設備があればトラックから補助具を使用して散布する方法もありますが、手軽に行うとすればスコップとほうきにより作業することもできます。
その際には、記載のある使用量を均等にばら撒くことが最大のコツとなり、野球場であればスコップとトンボを利用、また テニスコートであればグランドブラシやほうき等が使用できれば効率的です。