長期休暇等、空調設備不稼働時の工場・倉庫の湿気・錆対策<業務用除湿剤・乾燥剤の使用法 >

空調設備を稼働させない工場、倉庫における湿気対策は、例年、長期休暇の始まる時期にご質問を頂きます。

日本の平均湿度は約69%、これからは梅雨と夏が控えるため、空気中に水分(水蒸気量)を多くかかえることで湿気による弊害を受けやすくなります。

水蒸気(湿気)は絶対量の多い場所から少ない場所に向かい安定するために移動を繰り返します。

屋内では日頃から温度、湿度管理がしっかり出来ている場所においても、一旦、空調を止めることで元々、水蒸気量の少ない屋内に向かって外気から一気に水蒸気が侵入してきます。

この水蒸気は数センチほどのコンクリートでも通過するほど細かなものです。

屋内や倉庫に入り込んだ水蒸気は、更に絶対量の少ない箱内や、機械部品の隅々にまで侵入してきます。

水蒸気の侵入により湿度が高くなったところでは、夜間、冷え込んだ際に結露が発生します。

この結露により生じた結露水は、機械、金属、精密部品などに、付着と蒸発を繰り返すことで錆を発生させます。

また、プラスティックポリマーなど、水分の変化に弱い素材では変質に注意が必要です。

ほか、資材、仕掛品、半製品など、対象が有機物や天然品であれば、カビの心配があります。

4月よりはじまる胞子の飛散は6月をピークとしますが、それでも10月まで盛んに活動を続けます。

他、ダンボールの主原料はパルプや古紙であるため、出発原料となる木材と同様、空気中の水蒸気量が多くなるとそれだけ含水率も上昇します。そこで湿度85%以上の日が数日でも続けば、圧縮強度の低下により型崩れを起こしてしまいます。

尚、休暇期間中の湿度対策は、機械設備や保管対象により異なります。

たとえばコンテナサイズ(36~77㎥)までの閉鎖空間であれば、海上コンテナにおける防湿、結露対策を基に対策を講じます。

また、基本的な対策法については、拙サイトにてご紹介しております。