湿気に困った場所に業務用乾燥剤・除湿剤を使用する理由

人間の皮膚による湿度センサーは関係湿度40%以下、ないしは70%以上の状況で発揮されるため、湿度計にも優る瞬時の感覚で正確に判断されるケースも少なくありません。

この体感湿度は冬と夏では大きく異なり、湿度が高い場合であれば冬は温かく、また夏では冷たく感じられます。

これは、温度の違いにより皮膚の水分を捉える感覚が異なるために生じます。

では、俗に湿気がこもるとはどのような場所が多いかといえば、やはり閉鎖空間、仕切り空間となります。

これらの場所では、換気不足を理由に概ね温度が低くなりがちです。

屋内であれば、そこは0.5℃から1℃ほど他の場所よりも温度が低くなる傾向があります。同じ空間においては、温度が低い場所は湿度が高い傾向にあります。

加えて閉鎖空間に水分を含みやすい紙、ダンボール、木工品、衣類などが含まれると、水蒸気発生(湿り気)の温床となり、温度が上昇すれば更に湿度が高くなります。

同様にマンション、倉庫、床下、地下室などは、躯体の構造的な理由および気象条件が大きく影響を与えるため、湿気がたまりやすい、すなわち湿度の高い状態になる傾向にあります。

湿気がたまりやすく感じられる原因について以下に検証します

  •  複雑な構造のため、空気が対流しにくい
  •  長時間、換気のできない状況にある
  •  閉鎖空間内のどこかに水分を含む収納品がある。(衣類、紙製品、天然品ほか)
  •  建屋の壁面が断熱性に乏しく、そのため夜間急激に冷える
  •  換気扇等が無く、天井部と底部の温度差が著しい

湿気がたまりやすい場所では、除湿剤が活用されています。

家庭用であれば押し入れ用、下駄箱用、タンス用、引き出し用が中心となり、ピアノや美術館、博物館でも専用品があります。

また、建築用、梱包用、海上コンテナ輸送では大容量の業務品が活用されます。

乾燥剤、除湿剤の種類はシリカゲルA型シリカゲルB型塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クレイなどがあり、それぞれ使途に応じて選択します。また、使用量についてはJISによる計算式もあることから安心できます

この除湿剤を上手に換気と組み合わせると、湿気に困った箇所の解消に向けて一翼を担うこととなります。