脱臭力の違いを解説! シリカゲルに活性炭を付加した業務用除湿剤

球状活性炭

臭いは分子で構成されます。

その多くは有機化合物で、水素と炭素のほか、様々な元素との組み合わせにより決まります。

また、臭いは大気中に揮発することが条件となり、空気中でそれぞれの分子がある程度の物質量にまでなると、

そこで臭いとして感じるようになります。

次に、特に悪臭を除去することを消臭、または脱臭と呼びますが、消臭は中和反応、酸化還元反応と主に化学的な反応を指します。

一方、脱臭はポーラスと呼ばれる微細な孔(空隙)を通じて臭気を取り込む作用で、先の化学的に対して吸着と呼ばれる物理的な反応となります。

この吸着により臭気を取る代表選手に活性炭があります。

活性炭は有機物を炭化(熱分解)し、更に制御された条件下において酸化させることで孔(空隙)をさらに多く、また深く開けた状態としたもので、木炭からも加工することができます。

尚、活性炭は表面上に結晶化した化学的元素をもつことから、純粋な炭ではありません。

然し、脱臭の働きとなる吸着作用の働きは木炭、シリカゲルと同様の仕組みであることから、その性能差は孔の単位あたりの表面積により、おおよそ比較することができます。

活性炭は1gあたり1,000㎡~3,000㎡の孔の表面積を持ち、また工業的に製造するため木炭と異なり品質が均質となります。

臭気を吸着するように設計された活性炭はミクロ孔が発達したもので、臭い分子をしっかりと抱え込みます。

この臭いは例えばフライパンで熱すれば離すため活性炭がこれまで吸い込んだ臭気を知ることができますが、鼻が曲がる恐れがあるため余りお勧めできません。

さて、この活性炭はシリカゲルと相性が良く、相乗効果を発揮します。

シリカゲルの孔は湿気(水蒸気)を閉じ込めるサイズに設計され、また、活性炭も湿気を取り込みますが、臭気も取り込みます。また、金属などを付加(添着)させると、臭いの種類を選択して吸着できるようになります。

シリカゲル、活性炭のいずれも微細な孔を通じた働きとなるため、出来れば表面積を拡げたプレート状が有利です。

そこで、常温でも吸湿と放湿を繰り返すシリカゲルB型と、臭気を吸着するように設計された粒状活性炭を大判プレートの上にすきまなく並列に配置した業務用除湿剤ファインドライMCを開発いたしました。

同品に使用するシリカゲルB型は最大で自重の約70%を吸湿、また、付属の再生サインにより内部の吸湿状態を目視でも確認できます。

また、天日乾燥により強制的に含んだ湿気を放出すれば、一度に30%~50%の放湿も可能です。

ファインドライMCに使用する大判プレートは、住宅や屋根・屋上断熱材としても使用実績が豊富な発泡ポリスチレンで、その断熱効果はウレタンフォーム、グラスウールを上回ります。

そのため、コンクリート面、鉄鋼、フレームなど、熱伝導率が高く冷熱橋となりやすい場所では、発泡ポリスチレンのある面(断熱面)を向けて設置すると、断熱効果により結露の発生を抑制します。

業務用除湿剤ファインドライMCの主な使途は以下となります。

・食品工場、倉庫での商品保存・保管

・船舶・トラック・鉄道コンテナ輸送時の結露、湿気対策

・天井裏・床下・パイプスペース(PS)・地下室、収納庫、クローゼット・トランクルーム等の結露・湿気対策