パレット上に載るダンボール梱包の型崩れ対策        <ストレッチフィルムと湿気対策について> 

ダンボールは輸送、保管などの物流において欠くことのできない重要な包装材です。

出発原料が木材由来のパルプであるため、吸湿と放湿を繰り返す木の特性がそのまま残ることより、湿気の影響を強く受けることになります。

ダンボールの含水率(全重量における水分の比率)は、製造時の乾燥工程を経て仕上がった状態であれば5~8%程です。

ダンボール工場では、納品に至るまでの期間、過剰に湿気のある場所を避けて製品を保管します。

使用開始後、湿度が高く、空気中に存在する湿気(水蒸気量)が多くなると、ダンボールの含水率は一気に上昇します。

すると、紙製容器の役割をするために必要な圧縮強度が低下いたします。

更に湿度90%の状態が数日も続けば、含水率は15%ほどに上昇し、ダンボールの強度は製造直後の約半分にまで低下します。

因みにその際の重量変化といえば、仮に製造直後で初期重量1000gの段ボールの含水率を5%とすれば、15%まで上昇すると約100gの水分が新たな重量として加わることとなります。

これらは荷物が上に重なるほど荷重が増加することとなり、特に底部に位置する荷物に負担が掛かることとなります。

勿論、ダンボールであれば逆に放湿もしますが、一度膨らんだり、型崩れを起せば再び元通りの姿に戻ることはダンボールの特性上あり得ません。

そこで、対策となります。

ダンボールには表面(ライナー)部分に、防水のためにコーティングする技術や、湿気の侵入を抑えこんだ防水・防湿ダンボールがあります。

これらは主に野菜、冷凍食品、金属・機械部品を梱包する際に、結露発生による型崩れ、ラベルのはがれ、また金属部品の錆を抑制する目的で販売されています。

これら特殊なダンボールを使用することも対策となります。

次に、ダンボール梱包を大量に使用する物流では、フォークリフトなどの重機を使用するため、落下防止用としてストレッチフィルムを使用いたします。

このストレッチフィルムの素材は主にLLDPE(低密度ポリエチレン)で、コストが安く、防水性、引張り強度にも優れる利点を持ちますが、組織間の密度が低いため、他のポリオレフィン製フィルムの中においては湿気にやや弱い面を持ちます。

そこで、ダンボールを組んだ際に、空隙が生じる、または設置環境がとりわけ悪い場合においては業務用乾燥剤を使用することがあります。

この乾燥剤はサイズ、吸湿容量、取り換え期間などをよく考慮に入れて選定する必要があります。

尚、 こちらは湿気対策の方法を含めて下記サイトでも紹介しております。

空調設備のない倉庫、工場における湿気対策

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