商品の包装や梱包時、乾燥剤を使用する前に検証しておく袋の材質について <ポリフィルムの吸湿性>

 

湿気を嫌う内容物の包装に使用するポリフィルムは、出来るだけ湿気(水蒸気)の侵入しない材質を選ぶ必要があります。包装用では大半がプラスティックフィルムであり、いずれも原油を製精したナフサから重合して作られます。

そのうち生産量の最も多いものがポリエチレン、続いてポリプロピレン、ポリエステル(PET)、また、ラップ等にも使用されている塩化ビリニデンなどが知られます。

記載にあるものはいずれも湿気を透しにくい素材であり、床下に敷く防湿シートのように厚みが1mm以上もあれば、湿気をほとんどカットすることが可能です。

しかし、包装用として使用するポリフィルムは商品を包み込むことが主目的にあるため、必然的に薄くなり、厚み0.1mm以下のものがその大半を占めます。

そこで、ポリフィルムを使用する場合、ある程度、湿気の侵入を前提に捉える必要があります。

ポリフィルムの種別における透湿度(湿気を透す割合)は、JIS-Z0208に紹介されています。

その内容とは、塩化カルシウム等の吸湿剤を使用し、各単層フィルムが単位時間あたりどれほどの量を吸湿したかによりバリヤ性の指標としています。

防湿包装方法JIS-Z0301によると、20℃の温度設定であれば、以下の順に湿気を透しにくい素材とします。

①ポリエステル>②低密度ポリエチレン>③高密度ポリエチレン>④ポリプロピレン>⑤ポリ塩化ビリニデン

【上の素材単体において代表的な使用方法】

① ラミネートカード② 家庭用ゴミ袋 衣類袋 プチプチ(緩衝材)

③ レジ袋 ブルーシート (※1) ④ 食品、菓子  積層(※2)

⑤ ラップ ソーセージ※積層

(※1) ブルーシートは剛性を持たせるため素材を編みこむ
(※2) 単体ではなく、別の基材と貼り合わせて(ラミネート)使用すること

このほかに湿気を透しにくいフィルムとしてアルミ蒸着フィルムがあります。PETにアルミの粉を吹き付けたものでバリヤ性を持ちますが、折るとシワのできる純金属のアルミとは区別します。

また、ポリフィルムの大半は、湿気を通過させないため基材を何重にも張り合わせる(ラミネート)ことが可能であり、それぞれは透湿度により湿気に対するバリヤ性を比較することが可能です。

湿気を嫌う内容物を包装する際には、ポリフィルムの選択および、

使用量の計算式(JIS Z0301)に基く乾燥剤を同梱、同封することをお薦め致します。

画像左よりアルミ、アルミ蒸着、ポリエチレン(ゴミ袋)、ポリプロピレン(菓子、珍味)

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