床下の湿気、結露対策に床下調湿剤を選ぶ際の重要ポイント。 <土間基礎・ベタ基礎 性能差および設置方法の違いについて>
家屋の基礎となる床下は、その土地特有となる気象の影響を受けることになります。
戦後、経済成長下の日本では、なるべく都市部に近い場所に住宅地を求めたことから、土質および環境を顧みず宅地造成が進んできたように思われます。
山を削ると谷や尾根に余分な土砂が埋められますが、埋められた谷側にあたる場所は元々地下水系の走るところでもあり、また、造成前は湿原地帯であったことを知らずに住居を構える例も少なくないようです。
海岸線、川沿い、湖付近ではとりわけ水蒸気の発生量が多く、家屋も次第に過剰な湿気の影響を受けることとなります。
床下といえば基礎(土台)という重要な意味を持ちますが、加えて地面と屋内を隔てる断熱の役割も担うことになります。
しかし、その環境は仕切空間ゆえに厳しい条件にさらされることになります。
特に湿気の多い日が続くと、冷え込みの厳しい朝には床下に結露が発生します。
結露は条件さえあれば通年見ることができますが、夏は冬と比較して空気中に抱える湿気(水蒸気量)が多く、そのため被害は甚大になります。
コンクリート基礎では、水溜まりになるところも度々目にすることになります。
この結露は自然現象ではありますが、頻繁に発生すると床下を支える根太、木材の含水率が上昇して強度不足に陥るほか、カビやナミダタケなどの菌類の発生、および不快害虫まで招くことになります。
また、床下に溜まる水分は日中、気温上昇により蒸発すると湿気(水蒸気)として再び床下にこもることになります。
この湿気(水蒸気)は、空気の成分において酸素や窒素よりも軽いため、更に上へと向かいます。
そのため床を突き抜けて室内に向かい、屋内の湿気上昇を招く要因となります。
そこで床下の湿気、結露対策として調湿剤を設置することがあります。
調湿剤とは、湿度の変化により吸湿と放湿を繰り返すことで閉鎖空間を安定調湿する働きを持つもので、微細なすきま(多孔質構造)を大量に有するものであれば概ね該当します。
この調湿剤の種類には、炭化(乾留)により多孔質化させた木炭、竹炭があります。調湿を目的とした根拠を示す文献こそありませんが、正倉院、法隆寺の床下では実際に炭が埋められていたようです。
このほかゼオライトなど立体網目状の構造を持つ火山性の鉱物も天然由来品となります。
一方、調湿剤シリカゲルB型は化成品にはなりますが、組成は二酸化ケイ素98%以上と地殻の約60%を占めるケイ素が主成分であるため、極めて安定した物質となります。
このシリカゲルB型の孔(すきま)は水蒸気が収まりやすいマクロ、メソサイズに設計されており、そのため性能的なバラツキも少なくなります。また、無数にある微細なすきま(孔)が空気の層を形成することで床面との断熱効果にも優れます。
これら調湿剤の単位あたりの吸湿量では、シリカゲルB型が数倍から10倍程度多く、他を圧倒します。
また、この吸湿量の大きさは、吸湿した後の放湿する量にも比例します。
これら調湿剤の性能差など、詳しくは拙サイトで紹介しております。こちらをご高覧ください
最後に調湿剤の施工の違いと、属するそれぞれの商品の特長です。
調湿剤には原料を直接、床下に散布する方法があります。これらは既設住宅であれば施工そのものが難しく、業者に依頼するケースが多いようです。
通常は土間基礎で行うものですが、元々あった地面に防湿シートを敷き、その上から散布することもあります。
防湿シートと調湿剤が一体化した多機能シートも販売があります。こちらは作業時間を大幅に短縮することができます。
次に原料を通気性の良い不織布で包みこんだマットタイプです。
既設、新築ともに施工しやすく、また防蟻(シロアリ)の定期点検などで一時的に調湿剤を取り出す必要がある場合などに、袋ごと外に持ち運べるため便利です。
さて、調湿剤として販売のあるものは設置後、長期に効果が持続するものです。
その選択にはコストも重要ではありますが、単位あたりの吸湿量の比較、および施工方法の容易さなども重要な選択肢に加えていただくことをお勧めします。
竹炭ゲル (マットタイプ)
消臭機能、電磁波シールド性に優れる国産竹炭にシリカゲルB型を配合、除湿、消臭の相乗効果が期待できるマットタイプ
床下専用乾燥マット (マットタイプ)
シリカゲルB型に消臭剤をプラスした大型マット。自然災害時の床下の漏水、コンクリートの乾燥促進にも使用可能。
断熱・調湿・多機能シート「テラ」 (防湿ポリシートONシリカゲルB型)
90cm×180cm/本ほか
主に工務店様、防蟻会社様で展開しています。尚、エリアによって専門施工店がありますのでお問合せください
<対象*防蟻・建築・リフォーム業者ほか>