シリカゲルB型に付属する再生サインの取り扱い説明書 <業務用・除湿マットL判・ファインドライGの再生方法>

乾燥剤シリカゲルを大別すると、吸湿のみのA型と吸放湿を繰り返すB型の2つのタイプがあり、それぞれに吸湿状態を目視できるためインジケーターが備わります。

シリカゲルA型のインジケーターは塩化コバルトを使用した青色の粒が大半で、袋の中に数パーセントほど混じり、吸湿が進むと紫色に変化して吸湿終了を告知します。

一方、シリカゲルB型のインジケーターは、シリカゲルの外部より袋を通じて内部の吸湿状態を監察できる設計です。

その役目を担うのが同じく塩化コバルトを使用した青色のチップで、落下防止のためシールによりしっかりカバーされます。

このチップはある一定の湿度に達すると、色相が変化するように設計されています。 一般的には関係湿度10%ごとの設定で6点式(画像参照)、3点式などがあり、いずれも可逆性を持ちます。

除湿マットL判、および業務用除湿剤ファインドライGに使用するインジケーター用チップは1点式で、主に再生のタイミングであるかどうか確認することを目的とするため、「再生サイン」と呼びます。

この再生サインに使用するインジケーター用チップは湿度70%の設定で、湿度70%を超えた状態であればチップが紫色に変色することで再生を促します。 そこで、気象条件が良いようであれば、天日でシリカゲルを青色になるまで乾かします。

また、このインジケーターを通じてシリカゲルB型を見ることは吸湿状況と同時に、周囲の湿度状況も判断できることとなります。

つまり、再生サインが長期にわたり紫色のままであれば、シリカゲル周辺の湿度は70%よりも高い状態が続いているということになります。然しながら、再生サインの色が紫色のまま変化しなくても働いていないわけではありません。

シリカゲルB型の吸湿特性としては、湿度が高くなるほど吸湿率が上昇します。 概ね湿度60%以上より吸湿がすすみ、100%で最大となるため、チップに設定した湿度70%は単なる通過点に過ぎません。

除湿マットL判およびファインドライGに設置するインジケーターの役割とは、一度吸湿した水分をその時に強制的に吐き出させるタイミングであるか、また、再生作業時に放湿が無事に行われたか、それらを確認するためのものとなります。

いずれの商品は美術館、博物館にも使用のあるものですが、その場合は湿度の変動幅を抑えることが主な目的となるため、天日乾燥をしないまま使用を続ける場合もあります。

次に天日乾燥を行う場合は、大気が安定して日差しが強く、また、湿度が低い状態にある場合は、比較的早く青色に戻ることになります。

このように好条件にある場合は、暫くそのまま乾かしても良いのですが、天候の変化が起きた場合、あるいは午後4時以降は出来る限り取り込むようにしなければ、周辺湿度が高くなるため吸湿の可能性が否定できません。

最後に、再生サインを目安としたシリカゲルB型の天日乾燥は、湿度0%の状態(絶乾)に戻すほどの完全なものではありませんが、放湿した分量だけの吸湿効果が期待できます。