海上コンテナ輸送時の結露対策に使用する業務用除湿剤(乾燥剤)の設置方法 

コンテナは外見では堅牢な造りに見えますが、囲んでいるのは約2mmの鉄製の板です。 そこで、水蒸気の発生源でもある海上を、激しい気温差の下で輸送するため、結露発生のリスクが高くなります。

鉄は、銅やアルミニウムなどと比べると熱伝導率は低く、比較的熱を伝えにくい素材ですが、それでも時間を置くと外気温にまで下がり、また上昇に転じるまで時間を要します。 その間に、鉄の表面上が結露の生じる温度(露点温度)まで下がると、壁面に結露水が発生します。

動力により温度を一定に保つリーファーコンテナもありますが、多くの場合は非電化のドライコンテナを使用します。

そこで、対策の一つとしてコンテナ内の水蒸気を取り除くため業務用除湿剤(乾燥剤)を設置します。 しかし、ドライコンテナには元々、除湿剤を設置するためのスペースが用意されている訳ではありません。 そこで元々備えられているワッシングリングを利用します。

このリング本来の目的は、輸送中の荷物を固定するロープを巻きつけるためにありますが、それを必要としない、もしくは利用できるリングがあれば有効活用により除湿剤を固定する方法が一般的となります 除湿剤を空間に吊り下げることができれば、湿気(水蒸気)をより効率的に吸収できる利点が生じます。

更に、除湿剤がコンテナの波状構造にフィットする設計であれば、積載している荷物と接触しないことで落下の危険性も減ります。

最後に除湿剤の性能となりますが、コンテナ用途の業務用除湿剤であれば、使用期間中のコンテナ内の湿度を可能な限り下げることが理想です。

そこで、除湿速度が早く、また吸湿容量の大きい塩化カルシウム系除湿剤がよく使われます。 これらは高湿度時になるほど吸湿、低湿度時では殆ど吸湿しないため、長期間に渡り効果の持続も期待できます。

画像* 産業用除湿剤ファインドライB-1200