非電化時における玄米の保存 シリカゲルを使用した米保管庫、米用収納庫の湿気対策

収穫したての玄米は発芽していない状態にあるだけで、元々の呼吸を続けています。 そのため、温度と湿度などの環境の影響を大きく受けます。

日本人にとって、収穫した米を長期に保存することは民族をつなぐ意味まで持つことから、先人たちはあらゆる試行錯誤の上、これまでの経験を引き継いできました。

今日に至っては、玄米の保存のために温度と湿度が調整できる玄米用保冷庫、米保冷庫が発売されています。 その理由とは、玄米が温度、湿度環境により変質して食味が落ちたり、また発芽してしまうことにあるようです。

この玄米の保存は温度15℃以下が理想で、それ以上になると活性化することで、てんぷん質の化学的変化が生じ、食味落ちていくようです。

因みに現在、販売のある玄米用保冷庫は、5℃~15℃までの設定範囲が大半です。 また、湿度が高ければ同様に発芽に向けた活動が盛んになることから品質が劣化します。

米の含水率(自重に対する水分の割合)が15%以上にもなれば米は変色して黄色や黒色に変色します。 また、水分量の多さから、害虫やカビの繁殖がみられることになります。 一方、この含水率が低下し過ぎても食味の低下がみられ、また炊飯時にひび割れするなどの現象を招きます。

そこで玄米の含水率(自重に対する水分の割合)は15%前後が最適とされます。

玄米は呼吸している状態にあるので、この含水率は主に湿度の影響を受けます。 米専門家の話しによると、玄米の保存に最適とされる湿度は60%~75%の範囲にあるようです。 そこで、その範囲を人為的にコントロールできないようであれば、保管する環境に調湿が必要となります。

一般的な調湿剤といえばシリカゲルB型がコストとパフォーマンスに優れます。 使用開始時を起点とし、湿度が高くなるほど高い吸湿力が発揮します。 また、湿度低下時においては、吸湿した湿気(水蒸気)を放出(放湿)することで湿度を安定させます。 これを半日程度、天日乾燥させると、これまでに吸湿した湿気を強制的に放湿、更に吸湿効果が高まります。

米保管庫、米収納庫で玄米を保管すれば遮光性 ねずみよけ、虫除けなどに大いなる利点がありますが、食味を低下させないためにも、容積に応じてシリカゲルB型を使用した大型マットタイプ、および米保管庫用専用品の使用をお薦めいたします。